2018年2月2日金曜日

大学生のPCスキル不足で思う、移り変わりの中で何を重視するかという話



「就活、卒論の敵はPC」という新聞記事がありました。
大学で卒論を書いたり就活をおこなったりする中で、ワードやエクセルを使えなかったり、キーボードが苦手だったり、パソコン操作に苦戦する学生が増えているといいます。

この種の話題は最近よく聞きますが、記事によると、基本はキーボード入力が苦手、慣れていないということのようで、キー操作だけでなくローマ字入力で混乱するという人もいるようです。要は“キーボード”というパソコンの入力デバイスの問題です。

パソコンは、少なくとも今の時代の仕事の上では、中心的に使われているツールなので、やはり身につけなければならないことは確かです。
しかし、それが入力デバイスに起因するのであれば、例えばパソコンでフリック入力ができれば、今の大学生たちも困らないということになります。少し調べてみると、実際にそういうデバイスも、すでに存在しているようです。

人間の方が今あるものに適応できるように訓練するか、機械の方を人間の使いやすさに合わせるかという話になりますが、このパソコンに関する話であれば、現状ではたぶん前者の人間側の適応を要求されることがほとんどでしょう。

このような道具の変化ということをいろいろ考えてみると、例えば自動車であれば、多くの車種ではすでにマニュアル車からAT車へ移り変わり、マニュアル車を運転しなければならないのは、よほど特殊な場面しかないと思います。
さらにこれから将来は、たぶん自動運転の方へどんどん移行していくでしょうから、そこで必要なことは今とはまた変わっていくでしょう。古いものもごく一部では必ず残りますから、世の中に存在する操作性のバリエーション自体は増えていくでしょう。

また、例えばPOSレジであれば、かつての手打ちからバーコードになり、代金もレジが自動的に入出金するものが増えています。昔はキーを早く打てる人やお金に扱いが早い人がもてはやされて、それをずいぶん練習した人がいるでしょうが、今はそのような個人スキルによる差は減っています。
さらに将来を考えると、Amazon Go(アマゾンゴー)のように、レジという概念すらなくなることが予想されます。
通信手段であれば、すでに一人一台電話やタブレットを渡している会社はたくさんありますが、そうなると「電話取り次ぎ」という仕事は確実に減り、電話オペレーターなどごく一部の人しか必要がないスキルになります。

何が言いたいかというと、大学生がパソコンを苦手というのは、キーボードを使わないという新しい形を先取りした結果としてそうなっているのに、あえて古い物に引き戻すような教育や訓練をしなければならないことへの不合理な感じです。
洋服の手縫いと機械縫いのように、出来上がりの結果が違うのであれば、両方学ぶ意味がありますが、パソコンはキーボード入力でも、フリック入力でも、さらに音声入力でも、入力された結果に違いはありません。それならば、その人にとって一番使いやすく、効率的なものを選べばよいことです。

もちろん、どんなに古いことでも、今は使わないことでも、基礎として知っておかなければならないことはたくさんあります。ただ、特にこの「道具の使い方」に関するような部分では、もう少し工夫の余地がある感じがしています。
「どうせ学ぶなら、少しでも長く活かせるものを」と思います。


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