2017年12月15日金曜日

「うまくいった社内プレゼン」の話を聞いて思ったこと



ある飲食店で、隣のグループの会話が何となく聞こえてきてしまいました。
くわしくはわかりませんが、社内での役員向けの大事なプレゼンが成功したらしく、その慰労と打ち上げの会のようです。

断片的に苦労話が聞こえてきますが、直属の上司と何度も内容を確認して資料のアップデートを重ね、相当に準備してのぞんだプレゼンだったそうで、毎日遅くまで資料作成をしていたらしいです。プレゼンでは特に質問や異論もなく、すんなりと終わったようで、みんな「とりあえず苦労が報われてよかった」と言っています。

こういう達成感がなければ、「仕事なんてやっていられない」と思ってしまうこともありますし、かかわった人たちがこうやってみんなで達成感を分かち合えるのは、とても良いことだと思います。
その中身はいろいろだとしても、こういう苦労はどこの会社でもありますし、こうやって頑張っている人たちが大勢いるのだとあらためて思います。

しかし、私がそこでふと思ったのは、「たかが・・・」と言っては失礼ですが、なぜ社内でのことなのに、そこまで力を使わなければならないのだろうかということです。
もしかするとプレゼン資料が素晴らしかったおかげですんなり終わったのかもしれませんが、質問も異論もなかったのであれば、もっと簡単なプロセスで承認を得る方法があったのではないかと思ってしまうのです。

もちろん社内の承認、決裁の手順は決まっているでしょうし、重要な決定事項は慎重に進めなければならないことも十分に理解していますが、それにしてもあまりに非効率な感じがしてしまいます。

この手の問題を改善する方法となると、「承認・決裁手続きの簡素化」ということになりますが、これは絶対にトップダウンでなければできません。もちろん現場レベルから話を持ち出すことはできると思いますが、それは「自分たちの権限を増やせ」と言っていることなので、そう簡単には認めてもらえないでしょう。

そして、この簡素化の話を経営者や役員クラスの人たちから見れば、「自分たちが口出しできる余地が少なくなる」と思う人もいます。自分の関与が少なくなることを好ましく思わない人がいるために、なかなか改善が進まない会社が多いです。そして「会議が多い」「資料が多い」「手続きが多い」という理由の多くは、それを過剰に求める上司の側の問題です。

昨今の「働き方改革」は、どうも長時間労働の話ばかりに偏っている印象で、本来はもっと多くのことに目を向ける必要がありますが、このような効率的とは言えない社内業務の様子を見ていると、偏ってしまうのは仕方がないという感じもします。

業務の効率化を考える中で影響が大きいのは、社内でのこういう仕事の進め方です。この改善のためには経営者をはじめとした管理職の意識が重要です。
やめられることは積極的にやめなければ、仕事の効率はなかなか上がらないと思います。


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