2016年11月25日金曜日

童話「ウサギとカメ」を本当に実験した話で思った適材適所ということ



イソップ童話で有名な「ウサギとカメ」のお話は、ほとんどの方がご存知ではないかと思います。
ウサギとカメがかけっこの勝負をして、足の速さでどんどん先へ行ったウサギは、余裕しゃくしゃくで居眠りを始めてしまい、その間に着実に進んだカメが勝つという話です。

たまたまユーチューブを見ていたところ、この「ウサギとカメ」を、本当に実験して競争させたという動画がかなりたくさんありました。その結果を見ると、どうもお話と同じように、カメが勝ったというものが多かったようです。

そこには、単純なイメージで思われているような、動きが早い、遅いといったことでなく、ウサギとカメそれぞれの性質にも要因があるようです。
例えばウサギの場合、基本的に臆病ではあるものの好奇心旺盛らしく、確かに実験中は、途中で周りの様子をうかがっていたりして、そのせいなのか長い時間で足を止めています。襲われたときに逃げ隠れする敏捷性には優れていますが、長距離を走るのは苦手ということもあるようで、走り続けるという感じではないようです。

これに対してカメの方は、全般的に臆病なものが多いようですが、種類によっていろいろらしく、基本的にはあまり協調性がないのだそうです。また、特にリクガメは、エサを求めて陸上を移動するので、大変な運動量があり、常にエサを求めて歩き続けているのだそうです。コンスタントに歩き続けるのは得意そうです。

ですから、それぞれの性質、特性を考えると、「ウサギとカメ」の競争でカメが勝つということは、かなり必然に近い部分もあるようです。

ここで思ったことが二つあります。
一つは、「ウサギは早くてカメは遅い」といったような見た目だけのイメージは、必ずしも適切ではなく、もう少し細かい部分を見なければ、性質や特徴はわからないということです。思い込みで判断してはいけないということです。

もう一つは、「カメはコンスタントに動き続ける」などといった、その者の性質に合ったことを見極め、そのことに関する適切な取り組みをさせれば、高い確率で成果が得られるということです。まさに適材適所ということでしょう。

組織の中でよく言われる「適材適所」も、それを本当の意味で実現できていることは、意外に少ないように思います。思い込みによる一方的な適材適所、特徴を見誤ったままの適材適所など、実際には適材適所になっていないことが多々あります。

「ウサギは早くてカメは遅い」などといううわべのことだけでなく、もっと本質を見極めた適材適所を心がけることが必要ではないかと思います。

1 件のコメント:

  1. 読みの深さ…私が一番苦手な面。 それを反省させて頂けたこのアプローチに感謝です。

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