2016年6月22日水曜日

「新人がいらないと思うビジネスマナー」が必要だと理解してもらうには



あるウェブサイトで、『新人が「必要ないのでは」と思うビジネスマナーTOP10』というランキングがありました。入社3年目までの20代会社員の男女各100人ずつに、アンケート調査を実施した結果とのことです。
その内容は以下のようなものでした。

1位 始業5分前にはデスクについている
2位 電話のベルは2回コール以内までに出る
3位 訪問先で出されたお茶は、相手が飲むまで口を付けない
4位 客を見送るときはエレベーターが閉まるまでお辞儀をする
5位 勤怠などの連絡は必ず電話で行う(メールやLINEではしない)
6位 報告・連絡・相談をこまめに行う
7位 社内でも正しい敬語を使う
8位 部屋に入るときのノックは3回(4回)
8位(同率)BCCで複数の人にメールする場合は「BCCにて失礼します」と断る
10位 社外の人にメールする場合は「メールで失礼します」と断る
参考:違和感のあるビジネスマナーはない 49%

この記事のコメントとして、『「違和感はない」が49%であることから、多くの新人が素直にビジネスマナーを守っているのが実状なようだが、「内心では納得がいっていない」という人もやはり少なからずいる模様だ』ということでした。

この結果に対する書き込みには、「こんなやつは雇いたくない」「辞めてほしい」などの否定的意見から、「理不尽なビジネスマナーは確かにある」など、一部肯定する意見までありましたが、先輩社会人からは「意味が無いように思えるビジネスマナーも仕事の一環である」という意見が多かったようです。
 
私は、ビジネスマナーというのは、仕事の効率を上げたりコミュニケーションを円滑にしたりすることで、会社に収益を上げるために必要だとして考え出されたもので、それぞれの項目は、みんなそれなりに必要なことだと思っています。

ただ、このランキングを見ていて、あらためておもてなしやマナーを専門にしているベテラン講師の方がおっしゃっていたことを思い出しました。
それは、「どんなマナーや礼儀でも、そこにはもともとの意味があり、それをきちんと知れば行動につながる」というお話でした。

 例えば、昔から言われるマナーで、「畳の縁は踏んではいけない」というものがありますが、その理由には、「縁は畳の中では一番弱い部分なので傷めないように」という物理的なことであったり、「床下から来た刺客は畳の縁を狙って刃物を突くから」というように自分の命を守るためであったりということがあるそうです。
今どきは床下に刺客がいることはないでしょうが、畳を傷めないという理由であれば、理解はできるでしょう。 
また、このランキングの1位に挙がっている「始業5分前準備」も、試合開始後にウォームアップするスポーツ選手がいないこと、本番後に楽器を準備する演奏者がいないこと、そして始業時間が試合開始、本番と同じことだと理解すれば、いらないマナーだとは言えなくなるでしょう。

他に挙がっているビジネスマナーも、基本的には「相手に不快感を与えない」「相手への気遣いや心くばり」という点では共通していると思います。

ビジネスマナーというのは、基本として言われているものはありますが、会社によって厳しさの度合いが違ったり、個人によっても捉え方が違ったりしますし、自分が常識と思っていることを相手が理解していないということは、少しイラッとする部分でもあります。
一方で、そのマナーが必要な理由というのは、意外にはっきり説明していなかったり、理由をはっきりとは知らなかったりすることも多いのではないでしょうか。

イラッとするところを少しだけ我慢して、しっかり理由を調べて教えることを心がければ、ビジネスマナーが納得できないというような者は減っていくのではないかと思います。


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