2016年3月2日水曜日

日本人は実は時間にルーズ?



IT企業の役員で、なおかつお笑い芸人でもある厚切りジェイソンさんのお話で、ちょっと興味深く思ったことがありました。

ある読者からの相談ということで、「業務に支障があるほどではないが、いつも遅刻する部下をどう扱えばよいか」と言う質問に対し、「業務に支障がないなら別に構わないのではないか。日本人はスタート時間には厳しいが、エンド時間にはルーズだ」といっていました。

言われてみれば確かにその通りで、特に日常の働き方のことであれば、朝の始業については二日酔いでも何でも、とにかく時間に遅れずに出社することが美徳のように扱われますが、終業時間については、決まっていないがごとき会社がたくさんあり、残業過多や長時間労働のもととなっています。一斉に始めることにはこだわりますが、一斉に終わろうとはしません。遅刻は非難されますが、残業は非難されません。

ただ、それではすべてがそうかというと、決してそんなことはなく、納期やその他の期限など、対外的な仕事の終わりにはそれなりにこだわります。海外の建築現場などでは工期の遅れが良く言われ、中には本当に間に合わないものもありますし、他の国の人と一緒に働いた経験のある人からは、仕事が終わっていなくても、定時になれば帰ってしまう人が大勢いるという話をよく聞きました。日本人の感覚とはまったく違うのでしょう。

ここには、まさに日本人の持つ職業観がはっきり現れているような気がしていて、外向きには体裁を気にして絶対に納期を守るという責任感があるものの、そのために、内向きには時間を気にせずハードワークを課したりします。
他の国では、もっと個人的に仕事が終わる時間やプライベートな時間を重視していて、それを侵してまで仕事の期限は守るものではないと考えているということでしょう。

「日本人は時間に厳しい」と思い込んでいた中で、仕事を終える時間にはルーズだと言われると、確かに返す言葉はなく、自分たちの価値観だけの中で、勝手に都合良く思い込んでいただけだと感じました。

私も日本人なので、納期を気にしないような働き方はどうしても良いとは思えませんが、こういう指摘をされることにも一理あり、あらためて本当の意味で「時間に厳しい」とはどういうことかを、今一度考える必要があると思います。
自分たちの働き方も、もう少し見直す必要はありそうです。

 

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