2016年2月3日水曜日

ある会社のマネージャーから聞いた「面談の仕方がわからない」という悩み



最近はどこの会社でも、人事評価や組織マネジメントの仕組みの中に、上司部下の面談が盛り込まれるようになりました。

私が社会人になりたての頃は、自分の会社に評価面談の制度はあったものの、上司と飲みに行って面談したことにしていたり、お互いに「どうせ毎日話しているからいいよな?」などという感じで面談をさぼっていたりということもありましたが、自分としては「そんなものだ」と思っていましたし、別にそれでも問題ないとも思っていました。

しかし最近の傾向は、特に上司の側がこんなことをしようものなら、不真面目、不謹慎、上司失格と糾弾されてしまうと感じるような、上司部下の双方が、面談をとても真面目で真剣な捉え方をしていることが増えたように思います。

冷静に考えれば、自分の給料やその他処遇、これからのキャリアに関わってくる話をする場ですから、私が昔思っていたような形の方がおかしい訳で、そんなゆるい時代だったと言えるのかもしれません。いずれにしても、上司部下のコミュニケーションの中で、面談の場というのはどんどん重要視されるようになってきたと思います。

そんな中で、ある会社のマネージャーのお話です。「面談をどうやったらよいのか、どのように話を進めればよいのか、面談の仕方がわからない」とおっしゃるのです。この話を聞いて、「マネージャーレベルでこんなことを言うこと自体が理解できない」などと思う人もいるのではないでしょうか。

ただ、これには理由があります。
実はこの会社、半世紀を超える歴史のある会社ですが、評価面談の仕組みを導入したのは、つい3、4年前のことなのだそうです。
それまでは上司が一方的に評価だけをし、結果をフィードバックすることもなく、また部下からもそれに対する不満の声は特になかったそうです。しかし、世の中一般で行われていることであり、上司部下がともに成長していくためにも必要な仕組みであると考えて、遅まきながら評価面談を実施することになったそうです。

ですからこの会社には、すでに管理職となっている人の中に、「上司から面談をされた経験がある人」が一人もいなかったという訳で、特に制度を始めたばかりの時は、「どうすればよいのかがわからない」という人が、ずいぶんたくさんいたようです。

そんなことから、始めは結構混乱もしたそうですが、研修を実施したり、個別に相談を受けたりということをしながら場数をこなしていくことで、みんな徐々に慣れて落ち着いていったそうです。
ただ、それでも「上司から面談をされた経験がない」という部分で、自信を持って面談に望めない人がまだまだ残っているようです。

これは、社員同士の面談制度を当たり前にやってきた会社にとっては、想像もつかないことかもしれませんが、このような苦労をしながら一生懸命取り組んでいる会社があります。

面談制度が一般的になってきたがゆえに、マンネリ感から「こんなことは時間の無駄だ」などという声を一部で聞くことがあります。
ただ、この会社のマネージャーたちが真面目に悩んでいる姿を見ていると、「慣れているならば、もっと意味がある面談になるようにするべき」と思ってしまいます。


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