2015年11月23日月曜日

「オワハラ」ではなおさら大きいと感じる認識違いの要素



新聞などの報道によると、内閣府と文部科学省がこの10~11月にかけて調査したところでは、企業が内定などにからめて、就活を終わらせるように圧力をかける「オワハラ」(就活終われハラスメント)を受けたとする学生が20.6%に上ることがわかったとのことです。

「内々定を出す代わりに就活をやめるように強要された」「内々定後に懇親会が頻繁に開催され、必ず出席を求められた」「内々定後に長時間の研修があり、他社を受けられなくなった」など、内定承諾をさせるための引き留めにあたる行為が主であり、大手の面接が始まった8月以降で起こったことが多かったようです。

今年は新たに出された就職協定の影響もあり、このあたりの話は採用活動の現場でも耳にすることが多いと感じていました。
この「オワハラ」のようなことは、あるべきはではないことだと思いますが、内定辞退というのは、採用担当者からすれば一番避けたいことですから、今年のように内定辞退者が続出するような状況になってしまうと、こんなことが起こるのはある程度予想できたことでもあります。
いろいろな面で混乱があり、結局誰も得をしなかったのではないかというのが私の実感です。

これらの記事の中に書かれていた中で、一つとても気になったことがありました。それは、この状況の分析として、「オワハラの問題が盛んに報道されて、オワハラと受け止める学生が多かった可能性がある。強要と言えるような行為は、それほどなかったのではないか」というコメントでした。
要は、会社にはそれほど悪気がなくても、「オワハラ」と捉えられてしまった例がたくさんあるのではないかということです。

セクハラ、パワハラ、マタハラ、アカハラ、その他ハラスメントと名がつくものはたくさんありますが、これらすべてに共通して言われるのは、「相手が不快だと感じれば、それはハラスメントである」ということです。
これくらい普通のこと、自分は気にならないなどと思うことであっても、それが嫌かどうかは相手の感じ方次第であり、相手基準で判断すべきことだと言われます。セクハラを指摘され、「相手との親近感を示すため」「ただの冗談」などと言い訳をするケースがありますが、それは通用しないということです。

ただ、これらの「○○ハラスメント」の大半は、職場や学校などを中心とした継続的な人間関係の中で起こっていることですが、この「オワハラ」は、これから仲間になるかどうかの入口という、まだつながりが薄い段階で起こっていることという違いがあります。

そうなると、お互いの認識ギャップや誤解が、より一層起こりやすいということで、この調査データの中には、会社としてそんなことを全く自覚していないような些細な行為が、実は数多く含まれているのではないかと思います。

特に今年は「オワハラ」が横行しているというというような報道を多方面で見かけますが、どんな行為がどの程度行われているのかということは、もう少し見極めなければいけないように思います。

相手が「ハラスメント」と感じるような行動は、正していかなければなりません。でもそこに、認識ギャップや誤解が含まれているのであれば、合わせてそれも埋めていくことが必要ではないかと感じています。


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