2015年10月7日水曜日

コミュニケーション力を鍛えると「キレる老人」にならずに済むのかも



つい先日、乗っていた電車の中で、年配の男性が急に大声で怒鳴り始めました。
自分の前の空いた席に、後ろから来た人が割り込んで座ったと言って怒っているようですが、私から見えていたその男性は、空いた席の目の前にいるにもかかわらず、しばらく座らずにいたので、別の人が座ってもおかしくない状況だったと思います。そんなに怒る理由がわかりません。
もめた二人は次の駅で降りましたが、その怒り方がちょっと常軌を逸した感じで、直接関係はなくても不愉快でした。

会社の中で起こることも含めて、最近こういうことに接する回数が多くなった気がしますが、キレる人が増えた理由は何なのか、いろいろ考えてしまいます。老化に伴って脳の働きが衰えると、理性が働きにくくなるなどということもあると思いますし、高齢者の数が増えているせいで、そう感じるのかもしれません。

こんなことを考えている中で、数日前に同じことをテーマにした新聞記事を目にしました。
『増え続ける「キレるオヤジ」の理由』というタイトルの毎日新聞の記事でしたが、そこで挙げられていたキレる理由は、「言語力の老化」というものでした。

この記事によると、「定年などで引退した男性は、夫婦二人暮らしか単身生活者が多く、会話が格段に減って言語力が衰えるため、新たな人間関係を築けない」「コミュニケーション力が落ちた男性が孤立して、積年のストレスを暴発させてしまうのではないか」とのことで、「他人と接してその人を説得するような会話の訓練をしていないと、議論というステップを踏まず、いきなり感情を爆発させてしまう」と書かれていました。

よく「口喧嘩では女性に勝てない」などと言われますが、これは男性のコミュニケーション力が女性よりも劣っているということで、だから男性は最後に怒鳴ったり暴力をふるったりしてしまうのだといわれます。

また私自身、自分のことは無口でも口べたでもないと思っていますが、それでも講演や研修でたくさんしゃべった翌日などは、ほとんど話さず黙っていたりします。たぶん単位時間当たりで話せる量が決まっていて、それを超えると話し続けることができないのだと思っています。

もちろんおしゃべりな男性もいますが、一般的に見れば女性の方が会話の量や頻度は多いと思いますし、これが年令とともに衰えていくのだとすれば、特に男性は「思っていることが言葉にできない、伝えられない」ということが増える訳ですから、イライラしてキレやすくなるのもわかる気がします。

キレる原因について書かれたものを見ていると、どれも必ず「孤立」というキーワードが出てきます。そこには、コミュニケーション力の低下も一因としてあるのでしょう。

そうであれば、男性たちがとにかくたくさん話をして、コミュニケーション力を鍛えていけば、みんな「キレる老人」にならずに済むのかもしれません。
私もそうならないように、できるだけ多くの人と、会話をし続けて行かなければと思っています。


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