2015年10月26日月曜日

「私の年令で転職はムリ」というのは、本当に年令のせいなのか


世の中の会社では、早期退職、希望退職というような形で、中高年社員に社外に出てもらおうという動きが、特に最近いろいろなところで見られます。
そんな会社の勧めに応じて辞めた人たちの中には、もちろんうまく再就職先を見つける人もいますが、なかなか次の会社が見つからず、とても苦労している人がたくさんいます。

実際に採用現場の様子を見ていても、特に40才代の後半ともなってくると、再就職のハードルが高くなってくることは確かです。

人材募集をしている企業の多くは、どちらかといえば若手を望んでいることが多く、そういうことを意図した求人が大半のように感じますが、その理由を聞くと、やはり年令が上になるほど頑固で会社になじみづらくなると思っていたり、処遇が高いわりに仕事の能力が不足しているというような費用対効果を懸念する話をされます。

そんな人ばかりではないと言いたいところですが、採用側として中高年を受け入れた経験を持つ者としては、ある部分では真実であるとも思います。

そういう環境ですから、中高年で就職活動を余儀なくされている人は、みんな「この年令になると転職は難しい」と口々に言います。これは同世代で企業に残っている人たちも同じことを言い、今の会社に何とかしがみつこうとします。

そんな中、まだまだ少数かもしれませんが、それとは少し違う話を聞くことがあります。
これはある会社でうかがったことですが、その会社が属する業界では、若い営業担当が圧倒的に多く、なおかつ定着があまり良くないのだそうです。

その会社の40代の社長ご自身が、ある日営業担当社員との同行で、あえて経営者ということを言わずに商談に同席していたところ、商談相手から「こんなベテランの人が来てくれた会社は初めてだ」と言われて、やけに感謝されたそうです。

どうも顧客からすると、若い営業担当ではなかなか思うように話が通じず、また頻繁に担当が入れ替わるので、その度にまた一から説明をしなくてはならず、そんなことをずいぶん不自由に思っていたようです。

そこへやって来たベテラン営業は、業界経験も豊富で話も早く、アドバイスも的確となれば、「やっぱり経験がある人は違う」ということだったようで、すぐに商談は成立し、その後も継続的な取引ができるようになったそうです。

 これ以外にも、経験があるベテランを求めているという会社は、なかなか表には出てきづらいものの、潜在的にはかなり多いのではないかということが、私の持っている印象です。

そうなると、「私の年令では転職はムリ」という話は、実は年令のせいではなく、自分の仕事の能力自体が不足していること、できることに対して処遇が高過ぎること、その人の性格的問題といったことに原因があることも少なくないように感じます。

そうだとすれば、自分の意識を変えること、必要なことを学ぶこと、能力を高める努力をすることなどで、改善される部分も多いはずです。、

「私の年令で転職はムリ」は、本当に年令のせいなのか。あらためて考えてみる価値はありそうです。


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