2015年9月9日水曜日

“暴力・暴言がある職場”には、絶対に居続けていけない


先日、ある女性経営者が男性社員に暴行を加え、死に至らしめるというニュースがありました。また、大相撲の親方が、自分で雇っていた運転手の男性に暴行を加えてけがをさせ、逮捕されるという事件もありました。

このように、仕事上の関係の中で、上司が部下に暴言・暴力をふるうなどという話は、あちこちで耳にします。
ここまで悪質ではありませんが、私が見てきた中でも、すぐに怒って怒鳴り出し、時には相手の頭をたたくなど、手を出すような部長がいました。
 
こういう人たちには、特徴的な点が二つあります。
一つは、ガマンができない、怒りっぽいという個人的な性格の問題です。
その態度を何度も注意され、その場では反省したと言いながらも、しばらくするとまた同じことをします。もしかすると、あまり悪いと思っていないのかもしれません。これは、私生活までを含んだ性格的な問題なので、なかなか直すことはできません。

そしてもう一つは、上下関係や主従関係、相手との力関係に敏感だということです。
こういう人は、自分よりも上の者や強い者には、絶対反抗しません。自分よりも下の者、反抗しないことがわかっている者にだけ、暴力をふるったり暴言を吐いたりします。必ず相手を選んでいます。
前述の怒りっぽい部長も、怒鳴り散らすのは特定の部下に対してと、部門内に閉じた会議の中という、自分が権力をふるえる場面だけでした。これも本人の性格やもともとの素養が大きいので、簡単には直りません。

特にこの後者の特徴は、個人的な問題だけでなく、組織全体に風土として浸透している場合があります。徒弟制度があるような職人気質の職種や、役職の上下関係が極端な会社、階層ごとのヒエラルキーが明確な軍隊的な組織、人の出入りや異動が少なく上下関係が固定されやすい職場は、暴力・暴言がはびこりやすいと言えます。組織風土というのは個人の性格と同じく、すぐに変わるものではありません。

暴力、暴言の問題では、それが一時のことではなく、結構な期間で継続されていることが多いように思います。これは結局、被害者がガマンしているということなのだと思います。
「会社は辞めたくない」「転職が難しい」、その他いろいろな事情があるのでしょうし、もしかすると「時間が経てば解決するかもしれない」「それならばガマンするしかない」ということなのかもしれません。

ただ、実際に被害にあっている人や、こういう組織風土を持った職場で働いている人に対して、私がアドバイスをするとすれば、その答えはただ一つ、「できるだけ早く辞めて別の会社に行った方が良い」ということです。

 その理由はこれまで述べた通り、“簡単に直ることではないから”です。
暴力、暴言ざたというのは、一見すると特定個人の問題のように思えますが、実際にはそれを正せない環境、容認してしまう風土がなければ起こりません。
 ですから、ある問題人物がいなくなったとしても、必ずまた次の誰かが出てきます。それは、ある日から、またそれまでとは違う人が、被害者になる可能性があるということです。

 組織の立場に立てば、「時間をかけて改善していきましょう」となりますが、働く人の立場であれば、「そんな会社は一刻も早く辞めるべき」です。
「暴力・暴言は絶対にガマンしてはいけない」「そんな職場には絶対に居続けていけない」と、私は強く思います。


0 件のコメント:

コメントを投稿