2015年8月12日水曜日

プライベートがあってこその仕事、仕事があってこそのプライベート



ソフトバンクのスタンリッジ投手が、第三子の出産予定日と登板ローテーションが重なったため、監督の配慮でチームのローテーションを全面的に組み替え、登板を一日前倒しにしたそうです。

通常、外国人選手の妻は母国で出産することが多いですが、日本で出産することもあり、できるだけフォローしてあげたいということだったようです。

以前、あるプロスポーツ選手が言っていたことですが、試合直前に父親が危篤となってしまい、監督からも外れて良いと言われたにもかかわらず、「自分を見に来てくれたお客さんのためには試合に出なければならない」と言って試合に出場し、父を看取ることはできなかったという話を聞いたことがあります。
こんな話が当たり前だった頃からすれば、時代もずいぶん変わったものだという印象です。

一昔前は、このスポーツ選手のように、「この人がいなければ」という人に限らず、とにかく仕事が優先という光景が多く見られました。
会社員では、さすがに親に死に目に会えないようなことまではないにしても、家族や友人の記念日やお祝いごとなどを、仕事のせいで参加できなかったりキャンセルしたりということは、誰でも一度や二度はあるでしょう。

私のような小規模事業者であれば、代わりになる人がいないということで、それもやむを得ない部分がありますが、そもそも組織で仕事をする理由には、誰かがいなくてもそれを他の誰かがカバーして、仕事を止めずに円滑に進めるということがあります。会社に雇われている立場からすれば、「自分がいないと回らない」ということ自体がおかしいはずですが、なかなかそうも言えない会社が多いと思います。

ただ、今回の件を見てもわかるように、これはリーダーが決断すればできることです。リーダー自身が仕事優先は当たり前だと思っていれば、個人に対する配慮はされづらくなります。
やはりこれからのリーダーは、「プライベートがあってこその仕事である」ということを、理解していなければならないと思います。

しかしその一方で、最近は個人の事情をあまりにも強く要求しすぎる社員を見かけるようになりました。周りが忙しくても、それにはお構いなしの休暇取得、大した事情とは思えない理由での残業拒否、言われたこと以外はやろうとしない仕事に対する消極性など。中には、「彼女に振られた」などとプライベートでの感情を持ち込み、それで仕事が手につかないような者の話を聞いたこともあります。
やはり、「仕事があってこそのプライベートである」という部分も、考えなければなりません。

私が思うのは、よく「仕事とプライベートの切り分け」のようなことを言う人がいますが、仕事とプライベートは切れ目なくつながっていて、はっきり切り分けることはできないということです。
仕事でうれしいことがあればプライベートも気分が良いですし、プライベートで落ち込めば、仕事の進みも良くないでしょう。いろいろなことがその時々のバランスの中で揺れ動いているはずです。

スタンリッジ投手も、プライベートで落ち着いて出産に立ち会い、その喜びは必ず仕事にも良い影響をもたらすはずです。
「プライベートがあってこその仕事」「仕事があってこそのプライベート」ということがうまくかみ合っていくと、人生がもっと楽しくなっていくように思うのですが、皆さんはどう思われるでしょうか。


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