2015年6月5日金曜日

「人付き合いが苦手」という社長の周りで起こること


ある調査によると、「仕事をしていて、社外の人脈の必要性を感じますか?」という問いに対して、ほぼ8割の人が「必要と感じる」と答え、その傾向は年代が上がるほど高まっていくのだそうです。
私自身の今までの経験でも、人付き合いから生まれたつながりにいつも助けられてきましたので、人脈は大事だと思いますし、年令とともに必要と感じる人が増えてくるという話も、実感として理解できます。

仕事をしていく上では、「人とのつながりや人脈が大事」という人と、「人脈などという属人的な仕事のしかたは合理的でない」という人の両方がいると思いますが、経営者の方々というのは、一般的には人付き合いが好きで、「人と会うのは大事」「人脈が大事」とおっしゃる人が多いです。

中には、やれ人脈作りだ、人付き合いだと言って、宴会やゴルフばかりに精を出し、本業がおろそかになってしまうような人もいます。こうなってしまうと、「経費の使い過ぎ」「公私混同」「それってホントに仕事なの?」「どこに行ってるのかわからない」などと批判的な目で見られて、あまり好ましいことではありません。

一方、その正反対で、私が今まで出会った中ではごく数名しかいませんが、「人付き合いが苦手」という社長がいます。経営者の姿としてあまり想像がつかないかもしれませんが、これはこれで結構な困りものです。

人脈がなければ、当然トップ営業のような引き合いもありません。そもそも人と会う約束自体がほとんどないので、あまり外出もせずに社内をウロウロしていたり、社長がやらなくても良いような事務作業や、管理資料の取りまとめなどをしていたりします。

また、社長という立場であると、儀礼的に誰かに会ってほしいなど、部下からの対外的な面会依頼があったりしますが、「任せた」などと言って会わずに済まそうとしたり、アポイントを先延ばしにしたりします。これでは対外的に顔が立たなかったり、非常識な会社とみられてしまうこともあるでしょう。

さらに、業界情報や生の情報に接する機会が少ないので、持っている情報量も少ないです。ただ、ご本人にはあまりその自覚はなく、メディアからの情報による一般論ばかりを語ります。

「人付き合いが苦手」という中には、“コミュニケーションが苦手”という面もありますが、そのためか、社内でも、社員の総意をくみ取ったり意見を集約したりということは、あまり得意ではないようです。「いくら何でもやりすぎでは?」と感じるような施策が、ごく当たり前のことのように出てくるときがあります。

こうやってみてくると、年令が上がり、組織内の立場が上がるほど、「人付き合い」「人脈」ということの重要度は確実に増してくると思います。社長ともなればなおさらです。どこにいるかわからなくても誰かに会っている社長の方が、誰にも会わずに社内にいる社長より、よほどマシなのではないでしょうか。

社長になる人のみんながみんな、社長に向いている訳ではありませんが、こと「人付き合い」「人脈作り」ということに関しては、少なくとも私は社長としての必須要件ではないかと思います。

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