2015年6月29日月曜日

仕事でさらに重視され始めている「人望」というもの


あなたは、自分に「人望」があると思いますか? 自分の「人望」には自信がありますか?

ここで、はっきりと自分の「人望」に自信があると答えられる人は、それほど多くはないように思います。「人望」は、あくまで相手からどう思われているかということなので、自己評価しづらいということがあるからだと思います。

ただ、最近は仕事の場面で、この「人望」を重視するような動きが各所に出てきています。
ある記事によると、トヨタの管理者層の人事考課制度には、「人望」という評価項目があり、全体の10%程度の評価ウエイトを占めているのだそうです。

ここでいっている「人望」の具体的イメージは、主に「部下から信頼されているか」ということだそうで、「あの人のような仕事をしたい」「あの人のように信頼されたい」と思われているかどうか、ということだそうです。

私は「人望」をもう少し広い意味で捉えていて、「周囲から信頼され、他人を自分の仕事に巻き込んでいく事ができるような人間関係を構築する力」だと思っています。リーダーシップとも、指導力とも、コミュニケーション能力とも言えるかもしれませんし、仕事そのものを遂行する知識や事務処理能力も持っている必要があるでしょう。

これらは、人それぞれに持っているバランスが違うでしょうが、これらの力を総合して、周囲と信頼関係を作り、難しい仕事であってもこの人について行こうと周りに思わせ、仕事を遂行することができるような力が「人望」なのだと思います。

「人望」などと言われると、ついつい持って生まれたセンスや、もともと持っているその人の性格によるものだと思ってしまいがちです。ただ、「人望」が人事考課の評価項目になっているような会社があるということは、それを仕事上のスキルとして、身につけなければならないものとして捉えているということです。また、実際にそういう手法を解説するような書籍が、いくつも出版されています。

「人望」が、“人をひきつけ、巻き込み、動かす力”だとするならば、相応の仕事の質を持っていることは前提として、自分の発する言葉やコミュニケーションの取り方、日々の行動を意識していけば、身につけることができるはずです。

例えば、具体的には、
・相手の話への傾聴
・適切な褒め方と叱り方
・放任でも過剰でもない、相手への適度な関与
・責任回避や責任転嫁、他者攻撃ではない言葉の表現や行動態度
・時間を守る、約束を守る、挨拶といった基本行動やマナー
などといったものです。
他にも挙げて行けば、まだいろいろあるでしょう。

「人望」は、論理を超えた感情の部分でも、相手から好感を持たれていなければ成り立ちません。
どんなに理屈が合っていても、自分のことを徹底的に論破して、聞く耳を持たないような人には、誰もついて行きたいとは思わないでしょうし、時間を守らない人から“時間厳守”と言われても、その相手に対しては、反感しか残らないはずです。

これからは、仕事を進める上での能力として、ますます「人望」が問われるようになっていくと思います。ビジネスパーソンとして、「私には十分な人望がある」と、自信をもって言えるようになる必要があるのだと思います。こればかりは、こうやって偉そうに言っている私自身もまだまだです・・・。


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