2015年5月20日水曜日

ちょっと奇抜な採用基準には意味があるのか


その人の学歴で採用の合否を分けることは、学歴フィルターなどと言われますが、それだけが基準ではないにしろ、意外に多くの企業で、採用基準の一つとして扱っているのではないかと思います。

私がいろいろな企業の採用活動をお手伝いする中で、この学歴フィルターなどはまだまだ序の口で、あまり表には見せない、その会社独自の“奇抜”と表現しても良いような採用基準を持っている会社があります。

ある会社で、「長男、長女はできるだけ採用しない」というところがありました。わがままで打たれ弱く、早期離職をする人を見ていると長男、長女が多いのだそうです。私は自分が長男なので、その判断基準には「何だかなぁ・・・」と思ってしまいました。

またある会社では、「食事マナーは家庭環境、教育、その他万事に通じる」ということで、面接の場で“箸の使い方”をテストしていたことがありました。
その試験を受けて入社した社員から、その時の話を聞いてみると、「マナーを見られているのは明らかだから、その時はきちんとできますよ」とのこと。あまり試験をする意味はなかったようです。

また、これは伝え聞きなので、実際にあるのかどうか定かではありませんが、最終面接前の候補者を、必ず回転寿司店に連れていくという会社の話がありました。注文するネタの順番が、その人の性格や仕事ぶりを見極める材料になるのだそうです。「本当なのだろうか?」と思ってしまいます。

さらに、採用試験時の昼食にお弁当を出し、食べ終わるのが早い上位3名は必ず採用するという会社の話も聞きました。あえてノドの通りが悪そうなメニューを選ぶのだそうです。
緊張の中でも食欲がある人は精神的に強く、早く食べられるのは胃腸が丈夫で体力がある人だそうで、このおかげで心身ともに強さを持った人が選べるのだそうです。

これらの話を聞いていて思うのが、血液型の性格診断のことです。私自身はまあまあ信じていたりしますが、科学的根拠はないなどとも言われます。

ちなみに、これはうちの妻の話ですが、長女の出産時に血液検査をしたところ、それまで言われていた血液型とは違っていました。本人はそんなはずはないと言いますが、再検査しても結果は同じです。
つまり、それまで見ていた血液型での性格診断や占いは、自分とは違う所を見ているにもかかわらず、それに納得していたということです。私も自分以外の血液型のところを見ると、何となく自分に当たっているような気もします。

人間は自分の仮説に合うことを象徴的に捉えるところがあるので、どこを見ても自分に合致するところを見つけて、「当たっている」となるのではないでしょうか。

私は、これらの奇抜な採用基準が、悪いとは思いませんし、無意味とも思いません。会社と応募者の相性を見るには、主観的なものも必要ですし、それに合致していることによって、会社がその人を安心して迎え入れられるなら、それはそれで好ましいことです。

これらのことを、「人を見る目があるか」という観点で見ると、残念ながらそうではありません。奇抜な採用基準は、主観的な思い込みと言われても仕方がないですし、応募者がこれを知ったら、まったく納得ができないでしょう。
ただ、自分たちの会社に受け入れる人を選ぶということにおいては、あっても良いことではないかと思いますし、仕方がないこととも思います。

とにかく思ったのは、人それぞれ、会社それぞれに、いろいろな見方があるものだということでした。


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