2015年5月13日水曜日

「サイレントお祈り」をする会社は、強制を疑問に思わない


就職活動をしている中での話ですが、不採用通知の文末には、必ず「・・・をお祈りいたします」とあるために、それを指して“お祈りメール”などといわれます。

さらに「サイレントお祈り」と言われるものがあり、それは「合格だったら連絡します」というものだそうで、不採用通知すら送られてこない無言の仕打ちであるために、“サイレント”なのだそうです。

 これをやるのは、人事担当の勝手な都合だけであり、いちいち連絡する手間を省きたいか、辞退者に備えてとりあえず手元の候補者をキープしておきたいかのどちらかです。

応募している人にとっては、自分が合格のなのか不合格なのかを、期待と不安で待ち続け、しかもそれをいつまで待てばよいのかもわからない訳ですから、就職活動をしている人にとって、一番腹立たしい行為だろうと思います。

 これをされたせいで、その会社の製品は絶対買わなくなったり、店舗を利用しなくなったり、テレビCMが流れればチャンネルも変えてしまうなどと言うほど恨みをかうこともあるようですが、そう思ってしまう気持ちはわかる気がします。

私が企業の採用活動をお手伝いする中でも、この「サイレントお祈り」のようなことを、全く問題とは思っていなかったり、無頓着であったりという会社は、確かに存在します。
私からは、この手の行為が会社の評判を落とすことになるので、絶対にやらないように指導しますが、それでもあまり納得をしない会社があります。

そういう会社の様子を観察していると、採用活動に限らず、すべてのことにおいて、一方的な強制がまかり通っている感じがします。通達や業務命令という書面がやたらと多かったり、何か仕事上の行動にあたっても、相手の事情を聞いたりはしません。取引業者に無理な値引きを求めたり、こちらの都合だけで、一方的な取り引き条件を突き付けたりします。

社内では、権威だけを駆使したマネジメントをしようとするので、良いリーダーは育たず、社外からは、何かと付き合いづらい面倒な会社とみられます。「サイレントお祈り」の思想に通じるような行動が、会社のあちこちで行われていて、まさに一事が万事だと思います。
 
就職活動の中で出会う社員は一部の人だから、それが会社全体を示している訳ではないという人がいます。確かにみんながみんな威張っていたり、自分勝手だったりということはないでしょう。
その一方で、やはりその会社が持つ一体的な傾向は、確実にあります。「サイレントお祈り」をするような会社は、それを許容するような雰囲気、風土をどこかに持っています。逆にそういうことは絶対に許さないという風土の会社もあります。それが企業風土、社風ということです。

もしも私が就職活動をしていて、「サイレントお祈り」をする会社に出会ったとしたら、どんなに評判が良い会社だったとしても、私は絶対に入社しないだろうと思います。
相手へのリスペクトがない会社には、私はあまり将来性を感じません。


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