2015年1月14日水曜日

本当の意味で望ましいビジネスパートナー像とは


経営者やプロジェクトリーダーという方々、また今はそういう立場でなくても、仮にそうなったと想定した時、皆さんはどんな相手をビジネスパートナーに選ぶでしょうか。

社会規範に関する感度といった、「人としての善悪」にかかわる価値観が共有されていることだけは前提として、私なりに思いつくものを挙げてみました。
(1)同じ理念を共有できる人
(2)価値観が似ている人
(3)気が合う人
(4)信頼できる人
(5)能力・経験値が高い人
(6)強みを強化し合える人
(7)弱みを補完し合える人

その他いろいろあると思いますが、このくらい挙げれば、だいたいの人が考える範囲のものは網羅されていると思います。

これをみて思ったことですが、(1)から(3)と(5)から(7)は、実は全く違う観点であり、(4)だけはどんな場合にも当てはまることで、大きくは3つの観点に分類されるのではないかということです。

前段に挙げた(1)から(3)は、世間でもよく言われることではありますが、これは言い方を変えると「似た者同士」ということではないかと思います。この観点を重視してパートナーを探すと、同じ業界出身、同じような職歴、同じ職種、同じ大学出身、同じような偏差値レベル、同じような年齢、同じような家族環境というように、自分と重なる部分が多い人なのではないかと思います。

一方、後段の(5)から(7)は、どちらかと言えば「自分とは特性が違う人」という観点です。お互いの違いがうまくかみ合うことをパートナーに求めるとこうなりますが、(1)から(3)の項目と反対のニュアンスなので、両立させるのは難しい部分がありそうに思います。

(4)の“信頼できること”だけはこれらと異なり、どんな場合にもあてはまる必須要件ではないかと思います。

起業するメンバー、自分が仕切るプロジェクトのメンバー、その他ビジネスパートナーが自分で選べるとしたら、これは私自身でもきっとそうなってしまう気がしますが、(1)から(3)を重視することが多いのではないかということです。実際に起業したての企業などを見ていても、この「似た者同士」で構成されていることが多い感じがします。

初めのうちはそれで良いのかもしれませんが、「似た者同士」は、同じような考えに傾きがちなので、考える選択肢が少なかったり、仮に間違った判断があったとしても、それをチェックすることができなかったりします。

ある会社のお話で、30代前半の起業家がビジネスパートナーとして選んだのは、参入予定の業界での経験が豊富で、経営者の経験もある60才のベテランだったという話を聞いたことがあります。
自分がその業界のことにそこまでの知識がなく、年齢的にも離れた人の方がそれなりの知見が得られると考えたゆえのことだそうですが、今は順調に業績を伸ばす著名な会社になっています。

成功している企業を見ていると、ビジネスパートナー選びで、前に挙げた3つの観点での人材が、バランス良く散りばめられている企業が多いように思います。
ついつい「似た者同士」に傾きがちなビジネスパートナー選びですが、ちょっと違和感がある人とも組む勇気が必要なのかもしれません。


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