2014年11月3日月曜日

最適な仕組みは常に変化する


組織の仕組み作りとして、私がお手伝いさせて頂くことが多いのは、人事制度とその周辺の施策作りです。
人事制度だけに関わらず、組織の仕組み作りで大切なのは、「自社に合った制度構築を行うこと」と「制度と運用のバランスを考えること」であると考えています。
さらにもう一つ意識しているのは、この「自社に合った制度」「制度と運用のバランス」も、その時々の状況や時間の経過に伴って“常に変化していくもの”だということです。

この変化というのは、会社規模、事業内容、業績、組織構成、年齢構成や男女比ほか人員構成などの内部的なものから、業界構造や市場、景気動向といった外部的なものまで、企業の周辺では常に起こっています。そしてこれらの変化は人事制度ほかの仕組み作りと無縁ではなく、その状況によって“自社に合うもの”も“最適なバランス”も変わってきます。

しかし、例えば人事制度作りに関わる方々は、主に管理部門、間接部門に所属していることが多いですが、顧客に直接接することが少ないせいか、このあたりの環境変化への関心の薄く、現場の事情にうとかったり、市場の変化を捉えられていなかったりということがあります。
人事制度のような仕組み作りを「頑丈な建物を建てること」と同じような感覚でいて、一度完成すると「これで当分の間は大丈夫」と思っているような様子が見えます。

しかし、昨今の企業を取り巻く環境変化は、思いのほか激しいものがあります。企業内の仕組みも、その変化に合わせて様々な改革、改善が求められますし、それが必要な頻度は確実に増しています。

組織をパソコンやコンピューターシステムに例えたとして、人事制度などの仕組みを「ハードウェア」、制度運用を「ソフトウェア」という捉え方をすることがあります。
しかし、企業を取り巻く環境変化の現状を考えると、「ハードウェア」は企業組織の基幹部分のみであり、制度はその上で動作する「ソフトウェア」にあたるのではないかと思います。さらに制度運用が、「操作、オペレーション」というような位置づけになるのではないでしょうか。

ある目的に応じた結果を得るために、「ソフトウェア(制度)」を作って、その「操作、オペレーション(運用)」を行います。
そこで想定した結果が得られないならば、「操作、オペレーション(運用)」工夫するか、「ソフトウェア(制度)」改修を考え、その時点で必要な結果を得られていたとしても、「ハードウェア(組織)」進化を考えながら、「ソフトウェア(制度)」更なるバージョンアップを図っていく、というような関係です。

人事制度のような仕組み作りも、制度運用の改善や見直しも、「これで完了!」というような最終的なゴールはありません。常に環境変化に感度を働かせ、継続した取り組みを心掛けることが大切だと思います。


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