2014年10月6日月曜日

「自転車に乗らないように!」は正しい方法なのか


新潟県加茂市の市長が、自転車に乗っていた中学生が死亡する事故があったことを受けて、市内の小中学生に「なるべく自転車に乗らないように」と呼び掛ける文書を配ったそうです。

制約や禁止という形を取ることが、適切な場合があることは間違いありません。しかし、そうでない場合もあるはずです。
子供のうちは大人の管理のもとに行動させることも必要なので、その中で禁止事項が多いのは当然という考え方はあると思います。しかしそれとは逆に、危険性も承知した上で、正しい使い方や行動を教えることが教育だということも言われます。

どちらも間違っていないと思いますが、最近は少子化傾向で子供たちの周りにいる大人の数が多いせいか、何かと制約や禁止という指導に傾きがちな気がしています。
もちろん、それ自体が問題行動である場合は、その行為を禁止するのは当然のことです。万引きその他の犯罪行為や法律違反、飲酒やタバコといった若年層ゆえの健康に関することもそれにあたると思います。

一方で、ただ危険があるから、失敗の恐れがあるから禁止するという考え方では、何もできなくなってしまいます。
刃物を使えば手を切ったり人を傷つけたりするかもしれませんし、スポーツにはケガの恐れがあります。病気がうつるかもしれないから人ごみには行かない方が良いし、有害な情報に接しないために、テレビもラジオもインターネットも避けた方が良いということになります。

この件に関して思うのは、例えば「自転車に乗るな」などというように、使わない、やらないなど、行動の制約や禁止だけで問題を回避することには限度があるということです。道具やノウハウやシステムを活用しながら、事故が起こらない対応策を考えるべきだと思います。

子供だけに限らず、企業などの大人の世界でも、このように行動自体を制約したり禁止したりすることで、問題発生を防ごうとすることは少なくないと思います。
 例えば、パソコンや資料の持ち出しが禁止されている会社があります。セキュリティ対策ということですが、モバイルツールが発達した現在のIT環境を考えると非効率な面もかなり多いと思います。

接待活動禁止という会社があります。不適切な関係を防ぐためだそうですが、望ましい関係作りも阻害している可能性があります。

少し話は違いますが、上司が部下に「ミスをしないように!」などと指示することがあります。しかしそもそもミスをしたい人がいるわけはありません。
こういう時は、「気をつけろ」などという行動の制約や禁止よりも、「こうすればミスがなくなる」という対策に向けた行動を指示した方が効果的だと言われます。

何か問題が起こると、その事象そのものを排除しようと考えることは多いと思います。不可逆的なことが想定されるなら、そんな制約や禁止が望ましい時はあります。ただ、制約や禁止ではベストの解決策にならないことがあります。

ただ制約や禁止をするよりも、どんな行動、どんな対策をすれば良いのかを考えることが、より正しい方法につながることが多いのではないかと思います。


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