2014年10月1日水曜日

「正社員だから」と勝ち負けをいうナンセンス


「ゆるい就職」と称して、若者に「週休4日で15万円」の仕事を紹介する人材派遣サービスが話題になっています。今までとは異なるリズムの働き方として、私は定着すれば面白い試みと思って見ています。

ここに応募する人たちの声として、「週休2日では自分の好きなことなど何もできない」「残業続きで生きるために働くのか、働くために生きるのか分からない」「会社説明会に行っても金もうけ以外に働く目標が見えない」「起業をしたい」「週5日会社に合わせて働く気はない」など、今は当たり前とされている働き方に対して、疑問を呈する声がたくさんあるようです。
「今どき、若い世代が正社員で働くのは負けだと思う」という声もあるようです。

私はここで、勝ちとか負けとかいう話は、あまり意味のないナンセンスなことだと思っています。働き方に対する価値観というのは、人によって捉え方が違うことで、単純な勝ち負けでは切り分けられないと思うからです。

正社員の勝ちの部分と言えば、個人ではできないレベルの仕事ができる、安定した収入が見込める、休んでも所定の範囲では収入があるなどということだろうと思います。よほどおかしなことをしなければクビにはなりませんし、金額はさておき安定した収入を得ることはできます。安定性という面では確かにあるだろうと思います。

一方で負けの部分では、一言で言ってしまえば、自分の意に反して強制される部分があるということでしょう。就業時間、休日、勤務地、その他仕事内容の問題もあります。仕事があってもなくても決められた始業時間に出社しなければなりませんし、仕事内容の選り好みもそうそうできることではありません。自由がきく環境とは言い切れないところがあります。

これをみて、「やっぱり正社員がいい」と思うならば、それはそれで良いことですし、一般的にはそういう人の方が多いのかもしれません。
しかしそんな中でも、仕事をしていく上での優先順位が違う人はいます。自分が自由に使える時間の確保が最優先な人、苦手な人との接触が避けられることが好ましい人、好きな事で生計を立てたいと思う人、仕事をせずに最低限の生活ができればそれで良しとする人など、いろいろだと思います。

いろいろな価値観があるはずなのに、今の国に政策などを見ていると、正社員のような安定した雇用が最も好ましいというような捉え方を感じます。
しかし、もしもみんなが正社員が良いと考えるのだとすれば、「ゆるい就職」などという考え方は出てこないはずです。

私自身は会社勤務から独立して今に至るので、正社員の立場もそれ以外も、両方経験していますが、一概に正社員が良いとは思いません。
今の私の場合、自分の力で仕事を探さなければならない厳しさはありますが、仕事内容や具体的なやり方は、基本的に自分の判断で決めることができます。
安定性は少ないですが、それは自分次第とも言えますし、やりたくない仕事をやらない判断は自分で下す事ができます。働く時間も休日も、基本は自分が決めたリズム次第です。
このどちらが良いのかは、個人個人の価値観によって違うと思います。

自分なりの価値観に応じた仕事の仕方が広まってくるのだとすれば、これはとても良いことではないかと思います。
正社員だから勝ちとか負けとかを言うこと自体、ちょっとナンセンスだと思います。


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