2014年4月23日水曜日

おせっかいがアドバイスになった瞬間


あるお店で食事をしていた時のことです。
40~50代くらいの女性客二人組が、近くにいた若い女性店員さんを呼んでいます。

その店は出入り口の一か所をクローズにして、別の出入り口に誘導する案内が出ているのですが、女性客お二人はそのクローズした出入り口の近くの席に座っていて、どうもその案内がわかりづらいと言っているようです。「間違う人がたくさんいるわよ。これじゃあ分かりづらいのよ」という声が聞こえます。

私はこの手の指摘はついつい「ああ、おせっかい!」と思ってしまい、もし自分が言われていたとしたら、あまり聞いていなかったり、その場だけでやりすごしたりしがちなところがあるのですが、この時の女性店員さんは違っていました。

「こちらに書いてあるだけでは見づらいでしょうか?」
「お客様も気になって落ち着かなかったですね。申し訳ありません。」
「ご指摘いただいてありがとうございます。」

そう言って数分後、案内を大き目に書いた張り紙を新たに作って持ってきて、その出入口に貼り付けていました。女性客二人組も満足そうに見ています。
言われたことをそのまま放置していたら、ただのおせっかいか苦情になってしまっていたことが、きちんとしたアドバイスになった瞬間でした。

私もコンサルタントという立場なので、自分の専門分野に関するアドバイスをすることが仕事の一部でもあります。自分なりに良いアドバイスができたと思った時には、それなりに達成感も満足感もありますが、今回の件で思ったのは、良いアドバイスというのは必ずしも自分の力だけでなく、相手のおかげで良いアドバイスになっているという部分がずいぶんあるのではないかということです。

自分ではアドバイスと思っても、相手の受けとめによっては、ただのおせっかい、大きなお世話になってしまうかもしれません。
逆にこちらの言い方で良くない点があっても、相手が謙虚な広い心で肯定的に受け止めてくれれば、結果的に良いアドバイスになっているということもあるでしょう。

良いアドバイスができたとしたら、それには相手がうまく受けとめてくれたおかげもあるのだということを、あらためて肝に銘じておきたいと思います。


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