2014年1月27日月曜日

「今の若者は没個性」などと言うけれど・・・


「最近の若者は個性がない」とおっしゃる方がいます。若者には見えない年齢の人が言うことが多いので、よくある“今どきの若者批判”かもしれませんが、確かにそんな風に感じることはあります。

私が20代の人と接することが多いのは、主に企業での採用面接など、その人の日常生活とはちょっと違う場面なので、見え方に偏りがあるかもしれませんが、どちらかというと真面目で素直な良い子が増え、人と違うことで目につくような、例えばすごく変わったバイトをしていたとか、普通ではあまり経験しないような個性的な活動をしてきたというような、そういう面で印象に残る人には、あまり出会わなくなったように感じます。

そんな漠然とした感覚でいる中で、先日ある方がお話された内容から、その感覚が少し間違っているのではないかということを思い始めました。
自分が思っている基準に照らして、勝手に個性がないと決めつけていますが、それは単なるステレオタイプの思い込みではないかということです。

例えば、今の若者はSNSなどを通じて、自分の意見を広く開示したり、ブログなどで考えていることを発表したりする人が大勢います。多少危うい使い方はあったとしても、自分の意見をまとめてしっかり述べることができるのは、一つの個性だと思います。私たちのような、バブル世代周辺の人たちが若かった頃、今のような環境がないということはあるにしても、そんな自分を発信する活動をしていた人はごく少数だったと思います。

ファッションや持ち物にしても、今は流行はあってもそれが多様化していて、早いサイクルで個性的なファッションがどんどん出てきます。
私達の時代であれば、黒色が流行っているとなれば、誰も彼もみんな黒を着ていたし、ある高級ブランドバックが流行ったとなれば、みんながお揃いのように、同じバックを持って歩いていました。
これに対して今の若者は、やたらとお金ばかりかけるようなこともなく、自分の身の丈に合ったファッションを、自分の個性で楽しんでいるように思います。

また、最近の若い人は海外に行きたがらなくなったなどという話を聞きますが、その一方で若くして海外で活躍するスポーツ選手などは、私たちの時代に比べれば圧倒的に増えています。
周りの人は海外へ出て行きたがらない環境の中でも、自分は目的を持って外へ行き、そこで芽を出して活躍する人がたくさん出てきているということは、自分という個性を持った人が増えているともいえます。

こうやって考えてみると、現在40代、50代というような私たちの世代の方が、実はよっぽど個性がないし、みんな横並びで同じようなことをしていたようにも思えます。
これはきっと「何を個性と捉えるか」という視点の違いであり、今の若者に対する見方は、年長者が自分勝手な基準での「決め付け」の中で見ているだけのように感じます。

今一度、「思い込みを排除して物事を見る」ということをしていかなければならないと、反省しているところです。


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