2014年1月24日金曜日

「隣の芝生」が見たいという要望


コンサルタントの立場でいろいろな会社にうかがっていると、特に人事施策や制度に関しては、「他の会社ではどうやっているんですか?」と聞かれることが多いものです。

客観的に見て、「会社としては精一杯やっているな」という部分で社員から不満が出たりすることがあれば、第三者の立場で「他の会社では・・・」という話をすることで納得を得られる場合もあります。
逆に「これではあまりに不足している」と見られれば、会社に向けての制度導入や推進といった部分でご提案することもあります。

自分たちのやっていることが、世間一般から見てどうなのか、どんなアイデアがあるのかなどを知り、自分たちの施策に活かしていくということだと思います。

よく「隣の芝生は青く見える」といいますが、これは他人のものは同じものでもよく見えるという意味です。
自分の家の芝生は真上から見るので傷みがすぐ分かるが、他人の家の芝生は遠く斜めから眺めるので、傷みが見えないからきれいに見えるということらしいです。

他人の物が良く見えてしまうという例えで、あまり良い意味では使われていないように思いますが、企業人事に関わる中では「隣の芝生を知る」ということは重要だと思います。
比較することで、決して自分たちが足りないことばかりではなく、自分たちの良い部分や優れている部分も知ることができます。単にマネするのではなく、自分たちなりにアレンジするアイデアの材料とする事ができます。

よくライバル企業や競合する他社の動向は常に気にかけ、先を越されないように仕掛けることだったり、場合によっては同じ動きを追随したりということもあると思います。
これが人事という切り口の場合は、世の中の会社はすべて「競合する他社」という捉え方ができます。全く異なる業種で規模も全然違うような企業であっても、取り入れている人事施策や制度は参考になることがあります。

こんなことから、私たちコンサルタントに向けて「“隣の芝生”が見たい」という要望は多い訳ですが、中には「うちはうち!」などといって、「隣の芝生」にはあまり興味を持たない方もいらっしゃいます。たぶん「隣の芝生は青く見える」というあまり良くない捉え方をしているからで、これは自ら情報遮断しているという意味では、あまり良いことではないと思います、

企業の方々には「隣の芝生」にも興味を持って頂き、私たちのような役割の者が、その「隣の芝生が見たい」という要望に対して情報提供をしていくことが、これからも重要なことだと思っています。


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