2013年8月17日土曜日

いいように思い込んでくれる人


人事関連の仕事をしている方々は皆さんそうでしょうが、私もずいぶん長らく人事の仕事をしていることで、人が入社する、退職するという場面に数多く立ち会ってきました。

やっぱり入社や退職というのは、どんな人にも節目の印象深い場面だと思いますが、そのせいか、しばらく時間が経ってから改めて話す機会があったり、久しぶりに再会したりという時に、その頃の話題が出ることがあります。まぁ懐かしい昔話だったりすることが大半ですが、ときどき私のことを勝手にいいように思い込んでいてくれている話をされることがあります。

例えばこんなことです。

「採用してもらったおかげで・・・」
(いやいや俺一人で決めたわけじゃないし、自分の実力とご縁があったということでしょう。)

「全然貢献できないうちに辞めてしまって、合わせる顔が無いんですが・・・」
(そんなのいろんな事情があるし、今さら関係無いんじゃない?・・・)

「あの時、○○って言ってもらったおかげで、気が楽になったんですよ」
(それは良かった!でも俺は全然覚えてないけど・・・)

これは、悪口や自分に都合の悪い話を耳にしないだけかもしれないし、お世辞や社交辞令で持ち上げてくれているだけかもしれません。
ただ、もしもこれが本心だとしたら、私が入社や退職の場面で心掛けていたことは、「入ってくる人はできるだけ快く迎え、去っていく人はこれからも付き合いが続けられるように快く送り出す」ということで、説得したり責めたりということをしませんでした。本来はやるべき時があったのかもしれませんが、それをしなかったおかげで「いいように思い込んでくれる人」がいる気がします。

私自身は結構きついことも言っているはずだし、不満を持たれたこともあるはずですが、相手にとって節目の重要な場面で、真面目に相手を尊重して対応すると、その印象が良いようにクローズアップされて、後々まで心に残るせいではないかと思います。節目での対処を間違わなければ、後々まで良い付き合いが続けられるのだとも思います。

入社退職の場面でいえば、快く迎えることはできるけど、快く送り出すことのできない人が意外に大勢います。「お前なんて辞めちまえ!」だったり、「辞めるなんて許さん!」だったりします。これをやったら、やっぱり縁は切れてしまうでしょう。

最近は入社の場面でもイヤな話題を耳にしました。内定辞退者に「お前のせいで予定が狂った!」とののしったり、その後の就職活動を妨害するような行為があったりするとか・・・。
こんなことをされたら、その会社のことは悪い印象だけ、もしかしたら一生恨むようになるかもしれません。そんな会社の商品は買いたくないし、サービスも受けたくないでしょう。嫌われる会社の業績が上がる訳もなく、結局自分たちの行為が自分たちに返ってくる訳で、そんなこともわからないのかと理解に苦しみます。

「いいように思い込んでくれる人」は、自分に何かあった時に手伝ったり助けたりしてくれたりします。相手の節目に真面目に向き合うことでそんな人が増やせるならば、それは役得なのかもしれないと思っています。


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