2013年6月22日土曜日

システムのせいで人事制度が変えられない?


ある上場企業の人事の方と情報交換をさせていただいた中で、人事制度の話題になりました。

全面改定してから数年たつそうですが、当初のコンセプトからずれてきていることがいろいろあるそうです。制度の見直しや改訂の検討がそろそろ必要になってきているとのことで、ここまでは良くある話でしたが、「実は社内システムとの兼ね合いで、そう簡単には制度を変えられないんです」とおっしゃいます。

よくよくうかがうと、グループ内の子会社が社内システムの開発、運用、保守を行っているそうですが、人事の面からは何かと使い勝手が悪く、小手先のつぎはぎでいろいろアレンジしているのだそうです。(他にも細かいことはいろいろあるようです。)
そんな中で人事制度の改訂までとなると、いよいよ小手先の対応では立ち行かなくなるが、システム変更となると、そのコストがあまりに膨大になることが明らかであるため、人事制度うんぬんという理由では、とても手をつけられないのだそうです。人事制度上の課題はある程度明らかで、やりたいことの方向性ははっきりしているが、社内システムとの兼ね合いでそれができないとのことでした。

「それって人事制度を主幹する立場としては気持ち悪いですね・・・」と同情するしかありませんでしたが、企業の規模がそこそこ大きくて、社内のIT化が進んでいるような企業であればあるほど、人事制度のことに限らずこんな悩みがあると聞きます。応用が利かないシステム側の作りにも大きな問題があると思いますが、すべての業務を把握しているわけでもないシステム開発技術者が、そこまで何でも見通して開発するのも難しいことは確かです。

中小企業で人事制度を扱う場合、どちらかというと制度上の課題がほとんどで、こんな制約にハマることはめったにありませんが、企業のステージが違うと悩みどころも違うものです。これを解決するには、人事の専門性というよりは社内の政治力になってしまいます。

こうなってしまうと、さすがに私が直接ご支援する世界ではありません。もう影ながら応援するしかなさそうです。


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