2013年6月1日土曜日

「相手の立場で考えること」の難しさ


ある日、朝イチからお客様先に向かう途中のことです。
8:30頃でしたが、いつもは全く混んでいない道路が、今日はやけに渋滞しています。渋滞の先を見ると、街路樹の剪定作業をしていました。作業用のトラックが一車線をふさいでいて、交通整理の人が交互通行で車を誘導しています。渋滞にはまった車の人たちを見ると、みんな「今ごろ何やってんだ?」という感じでキョロキョロ様子を見たり、時間を気にして不機嫌そうな顔をしています。

私も「みんな急いでいるに決まっているこんな朝のラッシュ時に、通行を妨げるような作業をするなんて、いったい何を考えてるんだ!」と思いました。「こんな時間帯に通行制限をしたら、どうなるかぐらいわからないのか」と思い、「どうせ役所の担当者か誰かが、状況も考えずに発注して作業させているんだろう」などと考えました。

・・・と、ここまでの話で、皆さんはどうお感じでしょうか? 私と同じように、批判的な気持ちを持たれたでしょうか? たぶん、そういう人の方が多いのではないかと思います。

私は、後になってもう一度、“何か理由があったのだろうか”と考えてみました。
「スケジュールの問題でどうしてもその時にしかできなかった」
「業者の予定がそこしか空いていなかった」
「いつまでにやらなければならないという時期の問題があった」
その他、予算消化の問題、事務手続きや決済の問題など、いろいろ思いつくことがありました。
勝手に「どうせ状況も考えずに・・・」と思っていましたが、もしかするとその時間帯を何とか避けられないかとさんざん考えて、その結果止むに止まれずのことだったのかもしれません。

私もいろいろな場面で「相手の立場を考えて・・・」という話をしますが、自分の価値観、感覚から大きく外れたことまでそう考えるのは、やはりなかなか難しいです。
結局は個人の「受けとめ方」次第なので難しい訳ですが、この「受けとめ方」はコントロールできるという部分もあります。

例えば、静かな部屋で大きな音を立てられたら「うるさい!」と思いますが、「音を立てたら1回につき100円の迷惑料を払います」という条件がついたら、逆に誰かが音を立てないかと楽しみに待ったりするようになります。前提が変わると「受けとめ方」が正反対になったりすることがあります。
今回の件も、「何か事情があったのではないか?」という受けとめ方にすると、ずいぶん感じ方が変わるはずです。

「相手の立場で考える」というのは難しいことですが、自分なりに「受けとめ方」をコントロールすることを心掛けるだけでも、少しはマシな捉え方ができるのでは、と思います。


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