2013年2月26日火曜日

求人倍率への肌感覚


雇用状況を示す基本的な情報として、求人倍率という数字が出ます。いろいろな調査機関がいろいろな母集団に対して行っていて、倍率が上がったとか下がったとかの情報が出ますが、就職活動中の人も採用活動をしている企業も、その数字が自分たちの実感と合っているかというと、必ずしもそうでないことが多いのではないでしょうか。
求人倍率が上がったからといって、就職しやすくなった感じはしないでしょうし、逆に倍率が下がったからといって、採用しやすくなるかというとそんなことはないと思います。

私の経験は企業の採用側が中心ですが、その立場から言えば、やはり求人件数や募集人数だけでなく、採用意欲採用基準といった要素もかなり大きいです。
期限を切って必ず採用するという求人があるかと思えば、いい人がいれば採ろうかという程度のこともあります。実態を意外に大きく左右するような要素が数字に反映されているとはいえないので、実感とはズレが生じているのでしょう。

数字というのは、何に使うかによって意味が違ってくると思います。
最近、テレビの視聴率調査に関する話題で見ましたが、ドラマなどの視聴は録画によるものが増えていて、その結果、視聴率はスポーツ中継やニュースなどリアルタイムで見られる率が高いものが上位に並んでいます。
 だから視聴率は意味がないのかというとそういうことではなくて、例えば録画での視聴では、CMはほぼ確実に早送りで飛ばされて見られないので、広告の効果を測るという意味では、やっぱり視聴率なんだそうです。

こんなことから言えば、求人倍率も広い意味での雇用環境や全体傾向を測るということでは意味があるのだと思いますが、求職者や求人企業がその数字を見て一喜一憂するのは、たぶん使い方が違うのだと思います。

ちなみに、私がお付き合いしている会社は中小企業が多いですが、採用意欲旺盛な会社は思いのほかたくさんあります。求人倍率は参考程度に、あとはそれぞれの立場で頑張れば、求職者は良い企業と、求人企業は良い応募者と巡り合えるのではないかと思います。


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