2013年2月13日水曜日

なぜ派遣や契約社員で不当な扱いが起こりやすいか?


今年の4月から労働契約法が改正され、有期労働契約に関するルールが変わることになりました。無期雇用への転換、一定の場合使用者都合の雇い止めが認められない、不合理な労働条件の相違の禁止などですが、逆に一定期間での契約打ち切りを助長する恐れもあり、私としては、どうなることかと心配しているところです。

派遣や契約社員の不当な扱いについては、一時期ずいぶん話題になり、今はそれほどではありませんが、それでも時々トラブルの話を聞きます。

私自身の経験としては、もっぱら企業側で派遣社員などを受け入れる立場で、来てもらっている人にはできるだけ働きやすい環境にしよう、分けへだて無くコミュニケーションを取るようにしようと意識はしていましたが、今思えばやはり正社員とは少し違う感覚で接していたように思います。

一番大きいのは、やはり遅かれ早かれいずれいなくなる、またはその可能性の高い人だということです。実際にも事情はいろいろでしたが、一定期間で関係が切れることがほとんどでした。そう考えると、持っているスキルをその場で発揮してもらうことが主になり、継続的にスキルアップを支援する対象ではないということになってしまいます。また派遣では事前面接が禁じられていることもあって、受け入れ時のチェックは緩くなりますが、これも何かあれば契約を打ち切れるという条件があってこそです。

業務上ではドライな関係にならざるを得ず、雇用関係でも雇いやすく辞めさせやすいようになっています。おかげで雇用機会が増えたという面は確かにあるでしょうが、残念ながら働く環境が悪化したという側面も強いように思います。正社員との様々な差が大きすぎることは問題でしょう。

解決方法はとても一言では言えませんが、私の個人的な考えでいえば、契約打ち切りなどを制限するよりは、契約打ち切り後の生活保障の費用や、再就職につながるスキルアップの費用を、もう少し企業も負担するべきと思っています。
自社で働く人の最低限の生活を守る、人を雇う責任ということでは、正社員、派遣社員、契約社員にかかわらず同じようにあるとした上で、派遣や契約のような不安定な雇用での労働者のリスクに対して、企業側のコスト負担が少ないのではないかと思います。

例えば
・非正規で働く人への賃金を相応に割高にする縛りを設ける
・雇用保険など社会保険料負担を相応に高くする
・所定の教育訓練を義務付ける
など。

他にも色々考えられると思いますし、同じような方向での対処も多少はされていると思いますが、やはり法律が絡むことは、そう簡単にはいかないのだろうと思います。

結局はそれぞれの企業が、「自社で働いている人たちのことを親身に考えていくこと」が一番大事なのではないかと思います。


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