私の仕事の大きなテーマである人事制度構築は、その会社の人事の仕組みを作ることです。会社によって要望は様々ですが、初めにお話をうかがう段階では「基準や手順を細かく作り込んで欲しい」と言われることが多いです。
「いちいち考えなくて済むように」「誰でも同じように事務的に運用できるように」などと言われます。「うちのマネージャー連中は自分で判断できないから、決まりを作ってやらないと動けない」などと言われることもあります。“制度・仕組み”に委ねる比重をできるだけ高くして、“運用”を楽にしようという考え方です。
制度を作るというと、どうしても管理的なものをイメージするためにそんな話になるようですが、人事制度の目的は「人を活かして企業を発展させること」です。物事を決まった通りにこなす機械であれば、それをどうやって効率的に利用するかということなので、細かな事前の決め事や制度作りが最も重要ですが、人の場合は感情があり、人事制度の「人を活かす」をいう目的を考えれば、人材育成ややる気といった部分にも目を向ける必要があります。
やる気のツボは個人の主観による部分も多く、どうやって盛り上げるかは人それぞれで、まさに“運用”の中での個別対応が必要になってきます。
人事制度構築において、“制度・仕組み”に委ねて“運用”を楽にしようと考えても、実際にはなかなかうまくいきません。その会社によって違いはありますが、やはり“制度・仕組み”と“運用”の適切な比重、バランスがあり、多くの場合は制度構築を依頼して頂く方々が当初考えていたよりも、思いのほか“運用”の重みが大きいはずです。
運用することの難しさと大切さにも、是非気づいて頂きたいと思います。
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