2012年10月3日水曜日

「他人の考え方を変えたい」というけれど・・・

上司、部下、友人、家族、その他自分の周囲にいる他人を見ていて、「もっとこうすれば良いのに」と歯がゆく感じることがあると思います。

先日クライアントと雑談している中で、必要以上に仕事とプライベートの線引きを主張して、周りから浮いてしまいがちになる社員がいるが、どう接したらよいかと言う話が出ました。

決して社交性や協調性が無い訳ではないし、もっと自然体でいれば本人にとってもプラスになることが増えるだろうと、折りを見ていろいろな働きかけやアドバイスをしているそうですが、かたくなでなかなか受け入れようとしないのだそうです。何とか本人の考え方を変えられないだろうかということでした。

これを自分が言われる側になって考えた時、その働きかけやアドバイスを受け入れるかどうかは、結局自分のその時の問題意識や、自分の価値観に合っているかどうかで決めていると思います。

そもそも人間は、自分の考え方に合う事象を選択的に捉えます。自分の問題意識にタイムリーかどうかというような、タイミングの問題もあります。
受け入れられる幅に個人差はありますが、どんな人でも基本は同じです。自分の価値観に合わないことは、基本的に排除しているはずです。
その価値観は、その人の生い立ちや家庭環境、個人の性格、職業観、人生観という所まで関わりますから、そう簡単には変わりません。

自分の考え方が変わることがあったとして、そのきっかけは本で読んだ内容だったり、他人のアドバイスだったりいろいろでしょうし、人との出会いや生活の変化など、偶然の要素に左右されることもありますが、少なくともそれは自分で変わろうと納得して行動しています。他人にとって価値があることでも、自分にとって同じとは限りませんし、逆の場合も同じですから、他人を変えようとしてもそう簡単にいく訳がありません。

月並みな結論ですが、相手の価値観も認め、簡単に変わらないのは当然、変わらなくても仕方ないと思いながら、きっかけとなる刺激は与え続けるという根気が必要なのだと思います。

他人が良い方向に変わる手助けができたとしたら、それは自分にとっても大きな経験になると思います。

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