2012年10月2日火曜日

ある会社の内定式にて

数年前の今と同じような就職環境の頃、お付き合いしている会社で新卒者の内定式に出席させて頂いた時のことです。

式の中で、内定者の方々がそれぞれ自己紹介をするのですが、本当に式の直前で内定した方がいて、その方が「周りのいろいろな人に支えてもらって頑張ってきて、ようやくご縁があって内定を頂いたが今でもまだ決まったことが実感できない。でも早く恩返しが出来るように頑張りたい。」というお話を、周りの人への感謝の言葉とともに涙ながらに語っていました。

私も採用活動に関わってきた経験は長いですが、内定者がそれほど感謝の気持ちや苦労を語る場面に遭遇したのは初めてで、その様なことを語れる内定者、そう思ってもらえる振る舞いをしてきた会社、大変な中を支えてきたご両親や友人を始めとした周囲の方々のことを考えながら、その年の就職活動は本当に厳しかったのだと実感したことを思い出します。

このような経験は将来に絶対活かせると思うのですが、一方でこれから希望を持って社会に出て働こうとする人材が、そのスタートラインに着くだけのために、これほど苦労をする必要があるのかということを感じています。

成功するためのチャンスの頻度や成功確率の度合いについては、その人の努力や能力によって差が出てしまうのはやむを得ないことだと思います。しかし、そのチャンスすらもらえない人がたくさん出てしまう世の中というのはどうなんだろうかと感じ、改めて一刻も早い雇用環境の改善を期待するところです。

また、たった一人であっても採用できる余力のある企業は、是非若い人材にチャンスを与えて頂ければ、などと思っています。

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