2012年9月8日土曜日

採用活動-会社も謙虚さを忘れてはいけない

私も、採用活動の現場を近くで見ているので、最近の厳しい状況は目にしています。心情的にはみんなを何とかしてあげたいけれども、それぞれの企業体力には限度がありますから、なかなかそうはいきません。

企業側としては限られた採用数の中で多くの応募者が来ますから、俗に言う「厳選採用」ということになります。採用基準を維持してその水準に達する者だけをしっかり選ぶということですが、そういう時ほど、特に気をつけなければならないと思うことがあります。それは相手に対するリスペクト、謙虚な姿勢を忘れてはならないということです。
選ぼうという考えが強くなればなるほど、「人を選別する」ということに慣れてしまい、自分が一段上の立場と錯覚してしまいがちになるからです。

応募者の中には、誰が見ても優秀という人も、まったく逆の人も確実に存在しますが、そんなの人は、それぞれごく少数であり、企業が採用しようとする人の多くは、良い所も悪い所もある、ごく普通の平均的な人たちです。その人たちのちょっとした個性の違いや、わずかな能力の差などで合否を決めています。
最後は総合判断などと称して、個人的な相性や好き嫌いまで含めた判断をすることもあるくらいですから、単純明快に誰でもわかる採用基準で合否を決めている会社は本当に少ないはずです。
その程度の採用基準の中で、応募者を選別しようという考えが強くなれば、その人の良さを見るというより粗探しの要素が強くなり、そんな事を続けていると、無意識であってもいつの間にか応募者を一段下に見るようになってしまいがちになります。

本来採用活動は、募集する企業側と応募者側がイーブンな立場で行われることがベストですが、実際には市場原理で、どちらか一方の立場が強くなったり弱くなったりします。そのために発生するミスマッチもあります。とても不幸なことだと思います。

採用活動は企業の「広報活動」でもあります。横柄な態度はすぐに口コミで広がり、いつか自分たちの不利益になって返ってきます。現在採用活動に携わっている方は、今のような時期だからこそ、自分の立場を錯覚せずに、応募者の立場をおもんばかった上で仕事に励んで頂きたいと思います。

最後に、現在就職活動されている方々に向けてですが、なかなか内定が得られないからといって人格を否定されている訳でもなく、合否の分かれ目は前述のようにほんのちょっとした違いだけです。自分が必要とされる場所は必ず有るはずですから、悲観せずに取り組めば必ず良い結果が得られると思います。
情勢は常に揺れ動いているので、気長に幅広くという姿勢が重要かもしれません。

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