2012年8月24日金曜日

コミュニケーションギャップ解消の取り組み

以前、ある会社で企業風土把握のために社員ヒアリングを行っていた時のことです。

そもそもの課題としては、上司と部下、会社と一般社員の間の意識ギャップ、コミュニケーションギャップということで、その会社の社長曰く、「現場の意識が幼稚で低いんだよ」とのことでした。

ヒアリングを進めていくと、確かに課題の通りのギャップはあるのですが、どうもその原因は単に意識の問題では無さそうでした。
現場の社員に話を聞くと、みんな何らかの問題意識や不満や、改善に向けた方法論は語るのですが、その前提となる会社状況や考え方を余りにも知らないのです。それぞれの社員は自分たちの見える範囲、知っている事柄だけでいろいろな事を想像し、こうしたら良い、ああしたら良いと言っていたり、勝手に不満を持っていたりしました。

要は必要な情報共有が出来ておらず、双方が違う前提で話をしていた訳で、これではコミュニケーションにギャップが生じるのは当然です。
その後この会社では、会社状況や社内情報の「見える化」に取り組み、それが浸透するとともにコミュニケーションギャップは少なくなっていきました。

特に教育をした訳でもなく、今の状況を「知らせる」、「わかるようにする」という取り組みをしただけです。社員が自分たちの状況を自分たちで認識、判断できるだけの情報を与えれば、案外社員は同じ目線で話せるようになるものです。

「社員間のコミュニケーションが悪い」、「意識が低い」などの課題があると、単に能力、スキルの問題としがちですが、この会社での「情報格差」のように、それ以外の部分が原因となるケースが多々あることも、心に留めておくと良いのではないかと思います。

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