2012年8月20日月曜日

「評価」や「営業成績」を公開すること

以前、ある地方の市長が、全職員の給与明細を市のホームページで公開したという話を見ました。職員からは「説明もなく唐突すぎる」と不満の声も上がったそうです。

会社においては、さすがに給与まではないにしても、「人事評価」や「営業成績」などを社内で公開しているという所はたくさんあると思います。

これらを公開することの是非にはいろいろな議論があると思いますが、こういう手法を取るにあたっての注意点は、その目的が「ただの魔女狩り(プレッシャーをかける)になっていないか」ということです。
もう少し言えば、「あまり良くない成績をみんなに見せられた時、果たしてその人はやる気になるのだろうか」、また「アイツはダメだと言うレッテル貼りにならないか」ということです。

「評価」や「営業成績」を公開することは、その取り上げ方、活用の仕方、演出の仕方に注意して行えば、お互いを認め合い、成果を賞賛する文化になり、組織の一体化につながります。一方で使い方を誤ると、全く逆の方向に進んでしまいます。うまく使わないと「諸刃の剣」といえる部分があります。

ある会社では、定期的に「評価できる行動をした人」を社員同士で投票し、これをみんなの前で発表して表彰しているそうです。
選ぶ理由は「笑顔が良い」でも「おごってもらった」でも「いつも早起き」でも何でも良いそうですが、選ばれた人はみんなに認められたことで、うれし涙を流すようなこともあるそうです。
このようなうまいやり方ができれば、組織上のいろいろな面で良い効果を得られるのではないかと思います。

ちなみに前述の市長は、公開した理由を「比較的高待遇の職員も多く、市の将来は人件費を適正化できるかどうかにかかっているので、問題提起した」と述べたそうです。
ただ、職員は自分たちで給与を決めている訳ではなく、給与が高いのはそういう制度が問題なのだと思うのですが、給与額を公開して非難の矛先を職員たちに向けるようなやり方は、組織内の信頼関係で考えるとあまり好ましくないように思いました。働く場としてどうなってしまうのか、とても心配になります。

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