2012年8月1日水曜日

飲み会でなければわからなかったこと

以前、「業務外のコミュニケーションを飲み会だけに頼ってはダメですよ」ということを書きました。
逆に今回は、飲み会でなければわからなかった事もあるという話です。


ある会社の部長さんでしたが、その部下であるAさんの様子がおかしいと、他の部下から相談を受けたそうです。最近、特に午後になると落ち着きを無くして仕事のミスも多い、一種の心の病気ではないかと部下たちは言います。

しかし、その部長さんには思い当たることがあったそうです。それは以前Aさんと飲み会で話していて、その時Aさんから「自分の子供のことでいろいろ困ったことがある」と言う話を聞いたことがあり、何かプライベートな問題が関係あるように感じたのだそうです。

改めてAさんに話を聞くと、初めは口が重く、あまり話してもらえなかったそうですが、以前の飲み会の話題を糸口にして聞くと、実はAさんのお子さんに家庭内暴力という問題があり、最近エスカレートしてきて非常に悩んでいたということでした。
お子さんが帰宅する頃になると、家に一人でいる奥さんが暴力を振るわれて怪我をしないか、何か壊されているのではないか、大変なことになってしまわないか、心配で仕事が手につかなくなってしまうのだということでした。

この部長さんは、Aさんの家庭の問題が落ち着くまでの間、早めに退社する短時間勤務を勧め、お子さんの帰宅時間にAさんが家にいられるようにする措置をとったそうです。もちらんそれ以外もいろいろな面でフォローし、その後しばらくの期間を経て、Aさん宅の家庭内暴力も落ち着き、Aさんは通常の勤務に戻ることが出来たそうです。

これは極端な例かもしれませんが、プライベートな問題が仕事にも影響を及ぼし、その原因を知るには、仕事上の普通のコミュニケーションだけでは発見しづらいこともあるのだということです。
この話を、事前に何の心当たりもないまま、会議室で面談して本人から聞き出そうとしても、なかなかうまくいかなかったのではないでしょうか。たぶんAさんに通院を勧めるくらいで終わってしまったのではないでしょうか。

業務外のコミュニケーションとして一番手っ取り早く、多くの人を対象に出来るのは、実は飲み会であるのかもしれません。
少なくとも、「いろいろな場を使い分ける」ということが、コミュニケーションにおいて大事なことだけは確かです。

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