2012年7月29日日曜日

知っているだけでも違う

以前、人事制度作りをお手伝いさせて頂いた会社で、社員代表の方と検討中の人事制度案についての意見交換をしていた時のお話です。

制度運用の手引書の中に、「一般的な人事評価の心得」のような内容を記載したのですが、それを見た社員の方が、「前からこういう内容を知っていれば、もっときちんとした評価ができていたと思う」という話をされていました。

もちろん知っていればできるという事ではありませんが、人事評価を行うにあたっての基礎知識や心構えなど、自分だけではなかなか調べる機会はないでしょうし、ある程度の知識がなければ困るというのもまた事実です。

ある会社では、「評価結果の精度向上が、人事制度の運用上で最も重要である」として、評価者のスキル向上のために、評価者研修などに力を入れているところもあります。
きちんと教えて準備しようということで、それ自体は大変すばらしいことですが、特に中小企業では、研修という機会をわざわざ設けるのが、なかなか難しいことも多いです。また実施効果という点では、どうしても研修と実際は違うという部分もあります。

私が制度作りをお手伝いする時、もちろん研修のような内容を組み込んで考えることもありますが、評価の目線合わせは、実際の運用の中に評価調整会議などを設け、その中で行うようにすることも多いです。別建てで研修をやる実務上の負荷、実施効果などとのバランスを考慮してのことです。

研修などに手間ひまをかけることが可能で、実際のギャップを埋めていることがじっくりとできるなら、それに越したことはないと思いますが、もしそれができないとしても、できないならできないなりに、ただ知識として周知しておくだけであっても、何もしないよりは効果があります。

「うちは研修なんかはやる時間がないなぁ」などと言って何もしないのは、先の「もし知っていれば・・・・」という感想につながります。


どんなことでもそうですが、「自社の身の丈に合わせて、出来ることを考えながらやっていく姿勢」が大切だと思います。

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